多品種少量生産、ポイントは何?

中小企業の多くは、多品種少量生産を行っており、需要は日々高まり続けています。多品種少量生産は生産数量や納期が多様であり、それらの仕様もさまざまです。少品種大量生産から多品種少量生産へシフトしている近年、部品の種類も増加傾向にあり、部品在庫の管理はより困難を極める作業となっています。この課題を解決するためには、現代に相応しいシステムの導入を行う必要があります。

在庫管理・発注管理の一般論シリーズ第4弾の今回は、多品種少量生産の特徴やメリット・デメリット、生産方式や多品種少量生産から分かること・導入すべきシステムまでご紹介します。

目次

 

生産形態1(タイミングによる分類)

製造現場では、生産のタイミングが大変重要になります。生産形態には、受注生産と見込み生産の2種類が存在します。まずはこの2つの生産形態の内容から、解説を始めます。

受注生産

JISによると、受注生産は「顧客が定めた仕様の製品を生産者が生産する形態」のことと定義されています。顧客の求めるに応じて注文を受け、生産を行います。このにおいては、注文を基本とする生産管理を行うことが必要です。注文後に製品の設計を行い、設計が顧客の承諾を受けることにより資材調達をして生産を行います。

見込み生産

JISでは、見込み生産は「生産者が市場の需要を見越して企画・設計した製品を生産し、不特定な顧客を対象として市場に製品を出荷する形態」のこととされています。電化製品などのマーケットを予測し、市場ニーズに対応できるよう品質や規格などを見込んで生産を行います。この生産法においては、マーケットでの売上や過去の情報から売れ筋となりやすい製品を予測して商品を企画します。実際の生産現場では、販売量を予測した上で生産計画などを定め、それに応じて資材の調達を行います。

 

生産形態2(製品の流し方による分類)

多品種少量生産を知るには、個別生産やロット生産・連続生産などのその他の生産形態を把握する必要があります。他の生産形態との関連性を知ることにより、多品種少量生産への理解を深められます。ここでは、少品種多量生産に関しても触れていきます。

 

個別生産

個別の注文に対応し、その都度1度だけ生産を行う方法のことを、個別生産といいます。対義語には、連続生産があります。個別生産は、顧客の仕様に合わせ製品の製造を行える半面、納期や費用の見積もりが困難なためリードタイムも長くなることがあります。

ロット生産

品種ごとに幾つかの製品を交互に生産する方法を、ロット生産といいます。1つの生産ラインにおいて2種類以上の製品を製造する形態のことであり、個別生産と連続生産の中間に位置する生産方式となっています。この生産法では複数の品種を製造するときに、幾つかのロットサイズにまとめて生産します。

また、生産する製品の使用に合わせ、装置などの設定を変更します。これを段取り替えといい、段取り替えの際には、滞りなくスムーズに行うことが求められます。機種切り替えと呼ばれることもあります。

連続生産

一定のニーズを見込み同じ製品を一定期間中連続的に生産する方法のことを、連続生産といいます。この生産法はある程度のニーズを確保できることや、見込み生産型の製品製造に適切であると言えます。製品の在庫を保つためには、正しいニーズの予測に基づく生産スケジュールの組み立ても必要となります。

  多品種少量生産

多くの種類の製品を少しずつ製造する生産方法を、多品種少量生産といいます。顧客のニーズに対応し、デザインや仕様において類似性の低い製品を少量製造していく手法です。製品のライフサイクルにおけるスピードが加速する中、顧客のニーズに対応する方法として、多品種少量生産を導入する企業は日々増加傾向にあります。

  少品種多量生産

少ない品種の製品を、多量に生産する方法のことを、少品種多量生産といいます。この生産法は製品の種類が少なく、同じものを大量に製造するため、生産現場での動きがスムーズな傾向にあります。多品種少量生産と比較をすると、単純作業を長期にわたり継続するので業務へのモチベーションを維持しにくいこともあります。

多品種少量生産①

 

多品種少量生産とは?

従来までの生産ラインでは少品種多量生産が主流でしたが、近年は季節流行・地域や年齢・性別などの顧客ニーズの多様化から、現在は多品種少量生産へと移行する企業も数多くあります。多品種少量生産の特徴から選ばれる背景・メリットやデメリットを説明します。

 

多品種少量生産の特徴

製品の種類が多彩で、数量や納期にも幅があることが、多品種少量生産の主な特徴として挙げられます。受注の変動による数量や仕様・納期の変更などから、部品の納期遅れや加工順序のバラツキ・ものの動きが複雑になりやすく、設備能力に過不足が生じやすくなります。そのため、生産ラインには柔軟性や小回りの効くことが要求されます。これらの課題を解決するには、スマートリールラック(後述)のような在庫管理システムの導入を行うことが、課題解決への1番の近道です。

 

多品種少量生産が選ばれる背景

顧客の要求は、益々多様化してきています。その様々な顧客ニーズに応えるため、多品種少量生産が選ばれます。ドイツ政府の進めるloTを活用した振興策において、インダストリー4.0があります。日本では、第4次産業革命といわれるものです。インダストリー4.0と第4次産業革命に共通し、企業が実現を目指す形としてマスカスタマイゼーションがあります。マスカスタマイゼーションとは、大量生産に近い生産性を保ちつつ、個々の顧客ニーズに合う商品やサービスを生み出すことをいいます。

多品種少量生産のメリット

さまざまな需要に対応可能であり、短納期で顧客のニーズに応えられるため、顧客満足度を高めることにつながります。またトレンド商品の移り変わりや顧客の好みに相応しい製品を提供できるだけでなく、必要なものを必要なだけ製造するため、作り過ぎてしまうというようなこともありません。

多品種少量生産のデメリッ

製品仕様を変更して製造を行うにあたり、資材が増えることによるコストの増加がデメリットとして挙げられます。また仕様の変更により、工程や製造ラインも変える場合には、生産効率の低下もデメリットとなり得ます。頻繁な段取り替えへの対応や設備能力を適切に把握した生産計画の立案・製造状況の適切な管理・そして何より沢山の種類の部材の管理が必要です。そのため、部材の共通化や標準化・生産方式の改善が必要になってきます。

 

多品種少量生産から分かること

多品種少量生産では、生産効率を向上させながらいかにして過剰な部品在庫を抱えないかということが重要なポイントになります。また、生産ラインにおけるヒューマンエラーを起こさないことも重要です。これらのトラブルを防ぐためには、在庫管理を行うことのできるシステムの導入が効果的です。

まとめ

効率の向上と省人化の実現が肝

先述のように、生産効率の向上とヒューマンエラーの防止は多品種少量生産においてとても重要です。生産性を高め、省人化も実現するには、スマートリールラックのようなシステムの導入が欠かせません。この製品は、実装機で活用される電子部品リール収納棚を電子化し、情報化させたインテリジェントラックシステムです。実装工程における総合的な生産効率を向上させられ、省人化も実現できる上、コストの削減も可能です。

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