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段取り替えの時間短縮をもう一度考えてみませんか?

作成者: JFE商事エレクトロニクス|Nov 9, 2023 7:15:49 AM

国内では多品種少量生産を行う企業も多く、多品種少量生産ではこの段取り替えに多くの時間を割かれているのが現状です。そのため、つい稼働時間もロスをしてしまいやすい状況が生まれます。現場での重要項目として、日々段取り時間の改善に取り組む企業も多いのではないでしょうか。

段取り作業では、部品を準備する業務の時間短縮を見直すことが重要となります。今回は段取り替えの基礎的な仕組みから、段取り替えにおける時間の短縮法・有益な在庫管理システムの提案まで、詳しく解説していきます。

 

目次
・段取り替えの基本を知る
・段取り替えが必要である理由
・段取り替えにおける問題点
・時間短縮のためにできること
・最も効率的な時間短縮法とは?
・まとめ

 

段取り替えの基本を知る

JIS Z 8141では、段取りを「作業開始前の材料,機械,知工具,図面などの準備及び試し加工。」と定義しています。生産現場では、製品仕様に合わせて装置の設定や変更を行うため、段取り替えを行います。段取り替えには外段取りと内段取りの2種類が存在し、内段取りに関しては時間的観点から、特に改善の要求されるポイントになります。

 

段取り替えとは?

ロット生産を行うプロセスにおいて、機種の切り替えを実行する際に装置の設定・変更などの準備を行う必要があり、この準備作業のことを段取り替えといいます。金型の交換作業や設備における洗浄作業などが、この段取り替えにあたります。また製品加工の完成後から次に切り替え、生産可能な常態に至るまでの期間を、段取り時間といいます。

 

外段取り

生産装置を稼働させたまま、装置外で実行する段取り替え作業を、外段取りといいます。道具の用意や資材の運搬・片付けなどが、外段取りにあたります。段取り替え作業中の生産活動を維持できるため、設備稼働率に影響することがありません。

 

内段取り

生産装置を停止させ、装置上で実行する段取り替え作業のことを、内段取りといいます。装置の停止中に部品の交換や確認作業を行いますが、作業中は生産活動が不可のため、稼働率が低下します。稼働率が低下すると、生産性にも直接関わってきます。

 

段取り替えが重要である理由

生産効率という観点から、段取り替えにかかる時間は短縮する必要があり、工数の削減が必須となります。時間を短縮することができれば、作業工程における生産効率の改善・向上や、作業者の負担の軽減・モチベーションの維持や向上にも寄与します。

 

段取り替えにおける課題

大ロットにすると段取り替え回数を減らし、生産効率を向上することができます。しかし生産のリードタイムが長くなったり、仕掛品や半完成品が増えたりする可能性があります。また余分な仕掛は、キャッシュアウトの増加をもたらします。少ロットでは生産のリードタイムは短くなり、仕掛品は少なくなりますが、頻繁に段取り替えが発生し生産効率が低下します。生産ロスを最小限とするためには、内段取り時間をいかに短縮できるかが、重要になります。また1日に何回も段取り替えを行うケースでは、ヒューマンエラーも懸念されます。これは外段取りに関しても、同様のことが言えます。

 

時間短縮のためにできること

段取り替えの短縮を行う際には、外段取りよりも内段取りを重点的に改善する必要があります。最終的にはどちらの時間も短縮させることにより、生産効率につながります。段取り替えを行うための方法には、以下4つの手順を踏むことが求められます。

 

課題点の把握

外段取りと内段取りの問題項目を幅広い視点から情報の収集を行い、それらを改善するために現状を把握します。例えば勤務時間内の段取り時間と具体的な作業工程をまとめ、一連のプロセスや機械ごとに課題点を挙げます。その後内段取りと外段取りに分類を行います。

 

内段取りと外段取りに分類

一連の作業工程や機械ごとの課題点などを、内段取り・外段取りに分類します。

 

内段取りの外段取り化

外段取りで実行可能な業務を、事前に行っておきます。これは内段取りで発生する金型の準備作業や加工製品の運搬などの、予め準備可能な業務を全て外段取り化することを指します。これを実行し、内段取りにかかる時間を短縮させていきます。

 

内段取り時間の削減

取り付けや取り替え・取り外しなどにかかる一連の業務を簡素化させ、調整作業の短縮・廃止を行います。例えば治工具の取り付けや取り外し・金型等固定ネジの廃止・調整作業の廃止などが該当します。また基本的に並行して作業を進めるようにし、これらをルール化することにより、内段取り時間の減少を目指します。

 

外段取り時間の削減

内段取りと同様にルールを定め、5Sの徹底や作業訓練の実施・マニュアルの策定や定期的な効果測定の実施等により、外段取り時間の減少を目指していきます。さらに素早くそして正確に工数の削減を実現したい場合には、在庫管理システムの導入を行います。具体的な在庫管理システムの紹介は、次の項目で説明します。

 

最も効率的な時間短縮法とは?

時間の短縮を行いながら、一貫してミスのない状況を維持することは、段取り替えを行う上で大変重要です。在庫の入出庫を繰り返す段取り替え作業には、在庫管理システムとして自社業務の効率化に寄与する、スマートリールラックが最適です。

スマートリールラックとは、電子部品リール収納棚を電子化し、生産ラインの作業効率を大幅に向上させられる在庫管理システムのことをいいます。このシステムを活用することにより、LEDの点灯指示で必要な部品を瞬時に見つけられ、入出庫時間の短縮やヒューマンエラーも防止できます。これらの内容からスマートリールラックは、最も効率的な段取り時間の短縮法として、近年大変多くの企業で導入されているのです。

スマートリールラックの専用ページはこちらよりご覧ください。